経糸糊付技術

経糸糊付とは、製織前の経糸を糊剤の伸縮性膜で補強し、製織工程で受ける機械的負荷に耐えて、優れた製織性能を維持するうえで不可欠な工程です。通常、経糸糊付の品質は次の要点で判断されます。

  • 抱合力
    製織工程で経糸が受ける衝撃、引張、曲げ、摩擦などの機械的負荷に耐えるための伸縮性を含めた総合力です。 製織性を判断するうえで最も重要な要素です。
  • 毛羽伏せ
    経糸同士の接触や絡みを防ぐための重要ポイントです。特に、 高密度の製織や高速織機での製織では重要になります。毛羽の少ない経糸で、製織中にスムースな開口を行うことが重要です。
  • 着糊量
    経糸に付着させる糊成分量です。経糸の種類や織物規格などによって理想的な着糊量を事前に設定したうえで、糊処方の組み立て、糊付機の絞りロール圧やその他機械条件設定を行います。 糊は経糸に均一に付着しなければなりません。
  • 柔軟平滑性
    抱合力とともに重要な要点で、細番手の経糸で、高速織機による高密度織物など、厳しい条件下では特に重要となります。
  • 糊煮条件
    良好な糊煮条件によって高品質な糊溶液を調製します。糊煮は、粘度、粒度など糊溶液の品質を決定づけます。
  • 機械条件
    糊ボックス温度、絞りロール圧、ドラフト、シリンダー乾燥温度などの機械条件は、上記すべての要点に影響を与えます。

着糊量測定方法

サイジングの品質管理をする上で正確な着糊量を測定し把握しておくことは非常に重要です。
一般的にサイジング工場内で行われている糊付後のビーム重量を測って着糊量を算出するいわゆるビーム着糊量は、計算上の水分率と実際の糊付糸の水分率との相違などにより数値が大きく相違し実際の糸に付着している着糊量とは大きく異なる事が多いのです。
それ故、採取糊付糸を適切に糊抜きし、その糊抜き減量%を求め、同時に糊抜きと同工程で処理された無糊原糸の減量%も測定して、その減量%を糊抜き減量%から差し引いた値が、正しい着糊量だと言えます。弊社では、この方法で正確な着糊量を測定し、正確な糊付糸の分析を行っています。